防火シャッターの保守
防火シャッターを安全にご利用いただくためのバッテリー交換・点検サービスをご紹介します。
平成28年6月、防火シャッターや消防法に関しての法改正がありました
防火シャッターや消防法に関する法改正の背景には平成25年に発生した火災事故があります。
平成25年の3月に福岡県福岡市の診療所で火災事故が発生しました。この事故では鉄筋コンクリート地上4階、地下1階建ての建物が全焼し、死者10人、負傷者5人を出す大惨事となりました。この事故で被害が拡大した要因として、建物の中に設置されていた防火設備がいずれも作動しなかったことが挙げられました。
具体的には
- 防火扉は煙感知器運動のものにするべきだったが、旧式の温度ヒューズのものが設置されたままだった
- 増築した吹き抜け部分に本来設置されるべき防火設備が設置されておらず、防火区画が形成できない状況だった
- 増床したためできた窓がない部屋に本来設置されるべき排煙設備が設置されていなかった
- 非常用照明が廊下に設置されていなかった
ということがあったようです。
これらはいずれも建築基準法違反であり、この違反が多くの犠牲者を招くきっかけとなったと考えられたため、法改正がされました。
防火設備は専門的な定期検査報告の対象となりました
従来、建築基準法8条にもとづき、すべての建築物の防火設備は、適正に維持管理されることが義務づけられていました。
また、建築基準法12条にもとづき、特殊建築物等については、防火設備を定期的に検査を行い報告されることが義務付けられています。
2016年6月に改正された建築基準法にもとづき、防火シャッター等の防火設備はエレベータ等と同様に、検査資格者による専門的な定期検査が実施されることになりました(防火設備定期検査)。
(注:常時閉鎖式の防火設備は含みません)
対象は不特定多数が利用する建物です
防火設備定期検査が必要となる建物は、以下に例示する公共性のある建物や、第三者が多数利用する建築物になります。
- 劇場・映画館・演芸場
- 観覧場・公会堂・集会場
- 病院・旅館・ホテル・就寝用福祉施設
- 体育館・博物館・美術館・図書館・ボーリング場・スキー場・スケート場・水泳場・スポーツの練習場(いずれも学校に付属する者を除く)
- 百貨店・マーケット・展示場・キャバレー・カフェー・ナイトクラブ・バー・ダンスホール・遊技場・公衆浴場・待合・料理店・飲食店・物品販売業を営む店舗
検査・報告のながれ、および危害防止装置の設置義務
一級・二級建築士または防火設備検査員が検査をおこない、その結果を特定行政庁に報告します。
検査は原則として年1回です。
また、2005年に改正された建築基準法により、防火シャッターは、閉鎖時において周囲の人の安全を確保することが要件とされました。
そのため、危害防止装置の設置が義務付けられています。
その危害防止装置に使用されるバッテリーの寿命は約5年であるため、定期的なバッテリー交換が必要になります。
防火シャッターのバッテリー交換サービスの流れ
防火シャッター用のバッテリー交換のご依頼・ご連絡をいただいてからの一般的な流れをご紹介します。
なお、状況によって修理の流れは異なりますので、当社にお問い合わせください。
Step2基本的事項のご確認
当社からお客様にご確認する事項は以下の通りとなります。
- 貴社名
- ご担当者名(個人の場合はご氏名)
- ご住所
- お電話番号
- 現在の状況
Step3ご依頼内容のご確認
緊急修理のご依頼か、修理のお見積りのご依頼か、お客様からのご依頼内容を確認いたします。
現場の到着予定時間を当社からお伝えいたします。
Step4サービス員による修理
当社のサービス員が修理を行います。
完全に修理できる場合と後日残工事を伴う応急修理があります。
修理費用は当社料金表に基づき算出し、お見積書を翌日ご提出いたします。
防火シャッターの定期点検とバッテリー交換
防火シャッターの音、見た目、動作だけでは見つけられない異常があります。
点検には専門の知識と高度な技術を必要とし、危険を伴う点検箇所もあります。
各点検については、それぞれの点検資格者におまかせください。
連動制御設備等の点検
感知器・連動制御器などの連動制御機能点検を行います。
6ヶ月に1回以上
総合点検・・・1年に1回以上
消防関係点検資格者が担当
保守点検
防火シャッターの機能に関する全体点検を行います。
6ヶ月に1回以上
防火シャッター・ドア検査員が担当
連動制御設備等の点検
防火シャッターの機能に影響がある変形や損傷等の目視点検を行います。
6ヶ月に1回以上
防火シャッター・ドア検査員が担当
総合連動点検
防火シャッター・防火ドア及び連動制御設備全体の作動点検を3年に1回以上同時で実施します。
防火シャッター・ドア保守点検専門技術者、消防関係点検資格者が担当